挨拶
会長挨拶
九航協は1992年に設立されて以降、「航空・宇宙開発の促進」、「航空・宇宙関連産業の振興」、「宇宙開発拠点の形成」、「関連実験・試験・研究・訓練機関等の建設誘致・促進」を目的に、様々な活動を展開して参りました。
航空機分野では、九州域内の加工技術のエキスパート集団に航空機産業創出を目指す自治体も加わり「九航協航空機産業連絡会議(新QAN)」を立上げ、コロナ禍より立ち直りつつある航空機産業の需要を取組むべく活動中です。“脱炭素”に向けた取り組みとして“航空グリーンイノベーション”に関する技術において九州から立ち上げることのできる技術を探すための深堀も始めております。
我が国の宇宙分野に目を向けますと2023年9月にはこれまで打上げ実績を重ねてきたH2Aロケットを成功させ、X線天文衛星『XRISM(クリズム)』、我が国初となる月面着陸を目指す探査機『SLIM(スリム)』を予定軌道への投入を成功させ、その確かな技術力の高さを示すともに、月面探査等への確かな礎を築いております。
また、九州における宇宙分野では、九州大学発スタートアップであるQPS研究所の小型人工衛星6号機の衛星軌道投入に成功しており、順次36基の衛星網構築を目指しております。このように宇宙空間を利用した取組み、衛星を活用した情報データ等の利活用は今後ますます拡大を続けていくものと認識しています。
このように航空・宇宙分野は今後様々な分野において関りその市場規模は益々拡大していくことが予想されています。ここ九州においても将来の有望市場に参入すべく、その育成・発展を支えていくべく“九州航空宇宙開発推進協議会”のWeb Pageを立上げ九州域内の航空・宇宙分野に関わり得る企業のデータを集積して、九州内外にその存在を広く知らしめ新産業創出に寄与できるものと考えております。
航空・宇宙産業は次世代の有望な産業と位置付けられています。組織的かつ積極的に、その振興に取り組む必要がある、という認識の下、「九州から日本を動かす」という強い気持ちをもって、九州航空宇宙開発推進協議会の活動を推し進め、将来の有望市場創出の一助となるよう邁進して参りたいと思います。
令和5年
九州航空宇宙開発推進協議会 会長
(九州経済連合会 会長)
倉富 純男
幹事長挨拶
1991年における九州地域知事会と九州経済連合会の意見交換会から、九州地域の航空機産業の育成・拡大と宇宙産業の創出を図るため、産学官が一体となって技術レベルの向上や受注獲得のためのアプローチ支援等を実施することとして1992年に九州航空宇宙開発推進協議会が発足した。協議会は、九州沖縄各県知事、大学長、政令指定都市、経済団体、企業等をメンバーとして、事業調査・研究(航空宇宙産業、地球情報センター、九州アエロスペースデーターベース、種子島宇宙センター活性化、小型衛星ビジネス)、航空部品産業宇宙開発拠点の形成(小型衛星開発支援、小型衛星打上支援、九工大試験センター支援)を行い、啓蒙活動として、ロケットコンテスト等、また、国に対する要望活動等を実施している。さらに、宇宙データ利活用、宇宙関連機器開発、インフラ整備を推進し、人材育成、環境整備に取り組んでいる。令和4年度までは航空宇宙機器、部品材料等のハードウェア主体の産業振興に重点が置かれていたが、令和5年度から次なる10年において、Society5.0、Industry4.0、SDGs及び地域連携(自治体・大学・地方公共団体・民間企業とのオープンサイエンス)も指向することとし、AI、IoT(センサーネット)、ビッグデータ、ブロックチェーン、Web3.0、メタバース(デジタルツイン)、エアーモビリティ(1.5兆$市場)、宇宙xICTによるビジネスイノベーション、衛星データ活用、NICTの大規模オープンテストベッド(オープンサイエンス)等も視野に入れた活動を展開することとしている。特に、宇宙技術の利活用による地域課題等の解決、人材育成等を目的としたJAXAとの連携強化を図り、防災、農林水産、土木、まちづくりなど幅広い分野で衛星データ活用を支援し、地方創生や宇宙ビジネスの発展に寄与する自治体との協業モデルを構築したい。また、S-NET事業(内閣府と経済産業省が共同で運営)の自治体として認定されている九州各県の宇宙ビジネス創出推進自治体を通じて、地域における自律的な宇宙ビジネス創出を加速させるため、衛星データ等を活用した宇宙ビジネス創出を主体的・積極的に推進することとしたい。
令和5年
九州航空宇宙開発推進協議会 幹事長
新井 康平