種子島スマート農業推進研修会:さとうきび一筆調査
2025年 12月 11日
カテゴリー:農地管理/作付け調査/生育診断/業務効率化
- さとうきび畑の現地調査に多くの人員と時間がかかっている。
- 機械で収穫するための調査が必要であり、畑ごとに生育方法や管理状況の違いがある。
- さとうきび特有の生育サイクルや植え替え、畝幅・枕畝などの条件確認が求められている。
- ほ場の位置や作付け、生育状況を効率的に把握し、現地調査の省力化とデータの精度向上を目指している。
- 機械収穫に適した畑の選定や管理を効率化したい。
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| ニーズシート |
|---|
| 自治体名 担当課名 |
| 種子島スマート農業推進研修会 |
| 担当者名 |
| 大園 |
| 県 |
| 鹿児島県 |
| おおよその面積(k㎡) |
| 445 k㎡ |
| 人口規模 |
| 1万~3万人未満 |
| 質問データを利用しようとするエリアの特性 |
| 農村部 |
| 改善したい業務名または、データ活用できそうな場面 |
| ・さとうきび一筆調査(面積,作付け状況等) ・さとうきび生育調査,災害調査等におけるほ場確認(リアルタイムの衛星写真の閲覧を可能にしてほしい)。 |
| 衛星データ(画像や情報)の利用希望 |
| 画像の分析結果やレポートも欲しい。 |
| 業務の目的・背景 |
| ■さとうきび一筆調査の目的は大きく2つ 1.自治体としてさとうきびほ場の面積や作付け状況などを把握するため。 2.ハーベスタがほ場内で使えるかどうかの確認のため(畝幅,枕畝の有無等)。 (参考)さとうきび畑について ・株を新しくするため1年おきに2~3割割程度の畑が植え替えされる。(畑を休ませるケース、他の作物を植えるケース、引き続きさとうきびを植えるケースが存在する。) |
| 業務の回数 |
| さとうきび1筆調査:年1回(毎年6月頃),生育調査,災害調査:随時 |
| 業務に関わる人数(以降,さとうきび一筆調査に関する内容) |
| 100~150名(市町,農協、県などの職員及び案内人(地域の住民)) |
| 現在の業務フロー |
| 1.ほ場リスト作成(農協):前年リストを元に次年度の作付けを農家に聞いて作成。 ・リストの項目:番号、団地名、集落名、氏名、小字、地番、品種、作付年、作型、畑の面積、実植付面積、入り口、枕畝、入り口のスペースの有無、高土手、生育状況など。 2.リストは表になっているが、地番まで書かれていないことが多い。 ・案内人に依頼し、詳細を確認するが、思い違いにより見つけるのに時間がかかることがある。 3.1地域、数班体制で手分けして圃場を確認。 ・各班ごとに(案内人と職員2人ペア)で現地を巡回(車での移動)。 ・ほ場に札が立っているので、リストと照らし合わせて確認し、確認が終わったところから消し込みを行う。 4.生育状況(特に欠株の状況、5段階程度で評価)・面積等を確認。 5.確認が終了したらほ場の立て札にチェック(済みの印としてスプレーをつける)。 6.各班が集合し確認漏れがないかチェック→とりまとめ。 |
| 一番時間・コストがかかっている工程とその理由 |
| ■現地確認 ・案内人の記憶で巡回するため,見つからないほ場が出てくる。 ・各班でエリア分けしているものの、とりまとめ後に回っていないほ場が発生することがある。 <理由> どこがどこまで回るかが把握できていない。(該当ほ場を他の班の所管だと思うことによる見逃し。) ほ場リストが地図上に落とし込めていない。 ■案内人の雇用料金 約120万円/年 |
| 現在の課題・困りごと |
| ・高齢化により地域の農地を知っている案内人も少なくなってきている。 ・ほ場情報と地図情報をリンクさせたマップデータが必要。生産者から「廃耕する畑」,「新植する畑」の場所をどのように吸い上げてデータ化するかが課題。株出し栽培ほ場は,翌年もデータを継続して使えるので場所を改めて確認する必要はない。 【用語説明】 ・新植:ほ場にさとうきびを新しく植えること。 ・株出し:1回目の収穫後,植付をせずに,根株から新しい茎を再生させて収穫を繰り返す栽培方法。 ・廃耕:収穫後,次の株出しを行わずに,その畑のさとうきび栽培を終了し,耕うんすること。 |
| 具体的にどのような画像やデータが必要か(撮影時期、解像度、対象範囲など) |
| ・ほ場の位置(緯度経度) ・さとうきびを育てているほ場かどうか。 ・生育状況(欠株が判断できれば〇) ・管理作業の進捗状況(培土されているか) ・ハーベスタが入れるか,機械収穫しやすいかといった以下の条件を満たすかどうか。 ①面積が10アール以上か。 ②畝幅が120cm以上か。 ③枕畝が4本以上あるか。 ④除草がされているか。 ⑤出入り口に3m四方のスペースがあるか。 ⑥障害物が無いか。高土手かどうか。 ⑦7トン車が通れる道路の接道の有無。 ⑧隣接地に民家等の有無。 ・面積(ほ場の縁が木やさとうきびで隠れていたり,枕畝分を除く必要があったりと画像からの計測は難しいと考えられる) ・品種(目で見ても難しいため,画像からの判断は難しいと考えられる) 衛星撮影範囲は種子島全体。 さとうきび栽培面積:2339ha さとうきびほ場筆数:10512筆 衛星画像は,一筆調査を行う日の1週間前くらいのデータがあると良い。 求めるデータの最高頻度は週1頻度で更新する画像。 RGB画像だけではなく,NDVI画像などの生育診断に利用できる画像もあればなおよい。 |
| 衛星データ活用によって実現したい理想の状態(何がどうなったら嬉しいか) |
| 現地に行かずに農地の状況が把握できる(定期的に生育状況までわかればなお良い)。 |
| 成果を測る指標(KPI)や「成功」と言える変化 |
| 現場確認が衛星画像により完了する。 業務にかかわる人数の削減。 |
| これまでの衛星データや地理空間情報の利用経験 |
| 営農管理システム内における衛星センシングを活用した可変施肥マップの作成。 |
| データの活用にあたっての制約 |
| できるだけ操作が簡単なツールが望ましい。 |
| 既存システムやデータとの連携の可否・希望 |
| Excelで管理しているデータと連携したい。 Excelデータは現状ほ場を地図に落とし込みができていない。 地図上でどこのほ場を誰が管理していると言う情報を重ねることが望ましい。 |
| 他の自治体やニュースで便利そうだと思った取り組み |
| なし |
| 予算要求時期のタイミングについて |
| 【未定】・・・まずは利用検討から。 導入になると市町の判断になる。市町への呼びかけを行って実施になる。 一方、導入前の実証は「種子島スマート農業推進協議会」で実施できる可能性はある。 |
| その他 |
台風が来ると被害状況の確認のために翌日など現地確認に行っている。リアルタイムな情報が得られれば、倒伏の確認が衛星からできるのではないかと考えている。 農業分野だけではなく,林業・水産業でも活用できれば良い。 また,市町担当者からは,今回のように農地を衛星画像で確認していくにあたっては,農地の正確な情報が必要。法務省がとりまとめている農地のデータを制限を付けて開示してもらえると,非常にありがたいとの声もあった。 |
